日本臨床外科学会雑誌
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症例
術前診断した下結腸間膜窩に発生した右傍十二指腸ヘルニアの1例
中川 康彦柴田 裕小玉 雅志
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2007 年 68 巻 2 号 p. 333-336

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抄録
症例は, 75歳の女性で, 食後2~3時間後の嘔吐を主訴に受診した. 腹部単純X線写真では, 鏡面像は認めなかった. 絶飲食にて軽快したが, 食事再開にて再度嘔気・嘔吐出現した. 小腸造影にて, Treitz靱帯付近に小腸の集塊像と狭窄像および, 十二指腸の拡張を認めた. 腹部CT検査では, 十二指腸水平脚腹側に嚢状構造を認めた. 以上の所見より, 右傍十二指腸ヘルニアの診断にて, 開腹手術を施行した. 開腹所見では, 十二指腸空腸曲すぐ肛門側の空腸が約12cm嵌入していた. ヘルニア門は, 十二指腸上行部の右側頭側であり, 下腸間膜静脈の走行とは独立した位置関係であり, 下結腸間膜窩に発生した右傍十二指腸ヘルニアと診断した. 嵌入した腸管を還納後, ヘルニア門を閉鎖した. 術後経過良好で, 小腸造影で通過障害は認めなかった. 非常に稀な下結腸間膜窩に発生した右傍十二指腸ヘルニアの1例を経験したので報告する.
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© 2007 日本臨床外科学会
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