日本臨床外科学会雑誌
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症例
鼠径部脂肪腫の1例
今津 浩喜増井 利彦
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2007 年 68 巻 2 号 p. 491-494

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抄録
患者は78歳, 男性. 20年来の左鼠径部の膨隆を主訴に来院. 左鼠径部に手拳大の腫張を認めた. 体位変換による還納はみられず. 自発痛, 圧痛はなかった. 鼠径部の超音波検査では鼠径管に連続する不規則なlow echoic lesionとして捉えられた. 手術所見では鼠径管から陰嚢へ連続する黄色調腫瘤を認めた. ヘルニア嚢ははっきりせず, 腫瘤への流入血管も少なく剥離は比較的容易で内鼠径近くで腫瘤を摘出, 鼠径管から発生した脂肪腫と診断した. 摘出後の鼠径管後壁は広範囲に虚弱でDirect Kugel patchを挿入補強した. 摘出標本は17×12×5cm大, 重量600gで, 病理組織学的にはbenign lipomaの診断であった. 鼠径部の脂肪腫は国内外の報告に差があり, その位置づけが不明瞭である. 今後治療意義を含めて本疾患の位置づけを行う必要ありと考えられた.
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© 2007 日本臨床外科学会
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