抄録
症例は76歳, 女性. 平成18年7月1日, 下血を主訴に来院した. 腹部CT検査にて回腸末端と癒着する腫瘤影を認めた. 腹部MRI検査にてT1強調像, T2強調像で共にlow intensityを呈した. 下部消化管内視鏡検査にて出血所見を認めなかったが, 虫垂開口部に潰瘍様病変を認め, 同部にクリッピング施行. 腹部血管造影, 99mTc-HSA出血シンチで明らかな出血所見を認めなかった. 以後, 下血なく経過し, 7月14日, 退院となる. 9月10日, 再び, 下血を主訴に当科再入院となる. 下部消化管内視鏡検査で, 出血所見は認めず, 虫垂開口部の潰瘍様病変よりbiopsyを施行し悪性所見は認めなかった. 腹部CT検査でクリップと連続する腫瘤影を認めた. 診断, 治療目的に, 9月20日, 回盲部切除術施行した. 虫垂開口部に腫瘤性病変を認め, 病理組織検査では炎症性肉芽腫で虫垂炎と診断した.