抄録
原発性小腸癌の発生頻度はきわめて低く, その中でも粘液癌の発生は稀とされている. われわれは原発性小腸粘液癌の1例を経験したので報告する.
症例は90歳, 女性. 平成15年10月下旬, 腹満感と腹痛を主訴に当院消化器内科に入院となった. イレウスの診断のもとにイレウス管を挿入し, 回腸末端より約5cm口側に狭窄を認めた. 虫垂切除後の癒着による狭窄を疑い, 大腸内視鏡下にブジーを施行, その際の生検ではadenomaであった. その後狭窄症状改善したため12月上旬退院となったが, 平成16年1月中旬イレウス再燃のため再入院となり, 手術目的で当科転科となった.
入院時胸部CT上多発性肺腫瘍を認め, 小腸癌による肺転移の診断のもとに, 2月中旬回盲部切除術を施行した. 病理組織検査では絨毛腺腫を伴う粘液癌であった.