日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
Ladd手術の1年3カ月後に中腸軸捻転再発をきたした1例
柳澤 智彦横森 欣司前田 貢作田辺 好英久田 正昭馬場 勝尚
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 69 巻 11 号 p. 2900-2903

詳細
抄録

Ladd手術の1年3カ月後に中腸軸捻転を再発した稀な症例を経験したので報告する.
生後5日に腸回転異常のため中腸軸捻転をきたしLadd手術を施行した男児が,1年3カ月後に胆汁性嘔吐のため当院を受診した.術後イレウスの診断で入院し保存的に治療したが改善が得られなかった.第3病日に急激に全身状態の悪化を生じ,腹部CTにて腸管の拡張と多量の腹水を認めた.絞扼性イレウスを疑い,同日,緊急手術を施行した.小腸は再び中腸軸捻転をおこし拡張し,広汎に壊死していた.捻転解除後も腸管虚血は改善されず,壊死腸管を切除した.残存した腸管は40cmであり,術後に患児は短腸症候群をきたした.

著者関連情報
© 2008 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top