日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
HTLV-1ウイルスキャリアーに発症したアメーバ性肝膿瘍が腹腔内穿破した1例
藍澤 哲也岡村 一樹内田 雄三野口 剛
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 69 巻 12 号 p. 3228-3233

詳細
抄録

症例は57歳,男性.腹痛および食欲不振を主訴に当院外来受診した.肝右葉に12.6×11.7cm大の膿瘍性病変を認め,一部腹腔内穿破をきたしていた.血液検査にて炎症反応の亢進と赤痢アメーバIgG抗体を認め,アメーバ肝膿瘍の腹腔内穿破裂による汎発性腹膜炎と診断した.HTLV-1および梅毒陽性であった.治療は経皮経肝膿瘍ドレナージ術と2週間のメトロニダゾール投与を行い,膿瘍径の著明な縮小および炎症所見の改善を認めた.

著者関連情報
© 2008 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top