日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
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原著
肝切除術中肝門部遮断後の血流保持に対するprostaglandin-E1投与の効果
永野 浩昭宮本 敦史岸本 慎一村上 昌裕野田 剛広小林 省吾武田 裕丸橋 繁堂野 恵三梅下 浩司左近 賢人門田 守人
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2008 年 69 巻 3 号 p. 503-508

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抄録
肝切除術中の肝門部血流遮断前後の組織血流量とprostaglandin-E1(PGE1)投与の効果について検討した.対象は,肝切除例症例27例.肝組織血流は,血流遮断直前,血流遮断中,血流遮断解除直後に,非接触型laser doppler臓器血流計を用いて測定した.PGE1は,30-50/1000μg/kg/minを経静脈的に投与した.正常肝6例(投与:3,対照:3),硬変肝21例(投与:12,対照:9)について検討した.正常肝での血流量は,対照群,投与群ともに,遮断時に低下し解除直後に前値に復し,両群間に差はなかった.ところが,硬変肝・対照群では,遮断による血流低下は解除後も前値に復さず有意に低下し,その一方でPGE1投与群では,遮断解放後に血流量は前値に復し,対照群に比し有意差を認めた.硬変肝症例では,血流遮断解除後の肝血流保持は困難で,その対策としてPGE1投与が有用である可能性が示された.
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© 2008 日本臨床外科学会
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