日本臨床外科学会雑誌
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症例
食餌性イレウスにより非穿孔性口側結腸壁損傷をきたした上行結腸癌の1例
山口 哲司田澤 賢一田中 飛鳥澤田 成朗山岸 文範塚田 一博
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2008 年 69 巻 3 号 p. 620-625

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抄録
症例は71歳,男性.夜間に右下腹部痛が出現.発症から12時間後に急激に症状が増悪,右下腹部に圧痛を認めたが,明らかな腹膜刺激症状はなかった.直腸温は39.1℃であり,皮膚温37.1℃に比べ異常に高値であった.腹部CT検査では上行結腸が著明に拡張し,上行結腸狭窄部には腫瘤像を認めた.大腸穿孔を伴う大腸癌イレウスと診断し,同日緊急手術を施行した.開腹所見では,結腸肝彎曲部に径5cm大の腫瘤性病変を認め,その口側結腸は著明に拡張し,全長約10cmにわたる結腸壁損傷を2箇所に認めた.腸管内容物として,スイカの種,トウモロコシなどの食物残渣が大量に排出された.右半結腸切除術,回腸人工肛門,横行結腸粘膜瘻造設術を施行し,術後合併症なく23日目に退院した.
今回,われわれは口側結腸壁損傷を示した食餌性イレウスを伴った上行結腸癌の1例を経験した.文献的考察を加えて報告する.
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© 2008 日本臨床外科学会
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