抄録
症例は76歳,女性.2007年4月下旬,左乳房腫瘤に気付き当科受診.左乳房上内側領域に境界不明瞭な3cm大の硬い腫瘤を触知した.マンモグラフィでは多角形で微細分葉状の高濃度腫瘤であった.超音波検査では辺縁不整,境界不明瞭な低エコー像であり,MRI検査では早期相で造影効果の高い腫瘤影を認めた.針生検にて間質肉腫疑いの所見であったため,左乳房円状部分切除術,センチネルリンパ節生検を行った.病理組織診では異型のある紡錘型細胞がmyxomatousに増生し,一部に線維性間質が存在し,免疫組織学的検査では,vimentinとCD68が陽性であり,desmin,SMA,S-100,CD34は陰性,cytokeratinは弱陽性であった.以上よりmalignant fibrous histiocytoma(MFH)と診断された.乳腺原発MFHは稀な腫瘍であり,若干の文献的考察を加え報告する.