抄録
症例は78歳,男性.2006年2月,労作性狭心症,冠動脈狭窄症に対して3枝バイパス術を受けたが,その術前CTで胸部中部食道に連続する腫瘤を指摘されていた.術後の状態が安定した後,3月当科紹介となった.画像診断上,食道左壁に長径5cmの粘膜下腫瘍様の腫瘤を認めたため,2006年4月,胸腔鏡補助下に手術を施行した.術中所見で食道由来の腫瘤ではなく,下行大動脈から嚢状に突出し基質化した動脈瘤と診断された.術後のCTで腫瘤の増大を認めたため血管内ステントを挿入し特に問題なく退院した.食道粘膜下腫瘍と鑑別が困難であった下行大動脈瘤の1例を経験したので報告した.