抄録
症例は70歳,女性.胃透視にて胃体上部から下部にかけて小彎側を中心とし約半周,食道に浸潤する長径11.0cmの3型胃癌を認め,腹部CT検査ではNo. 3リンパ節の腫大を認めた.cP0,cH0,cT3,cN1,cM0,cStage IIIaと診断,当初手術を勧めるも希望せずTS-1/CDDP併用療法(TS-1:100mg/day21日間投与14日間休薬.CDDP:80mg,day 8)を2コース施行した.壁の伸展は良好となり腫瘍は長径5.5cmと著明に縮小,またリンパ節の縮小を認め治療効果はPRと診断した.以上の結果から患者の同意を得て,胃全摘,脾合併切除,D2郭清を施行した.病理組織所見では原発巣およびリンパ節に癌細胞の残存を認めず組織学的効果はGrade 3と診断した.現在再発兆候はなく外来通院中である.