抄録
症例は71歳,男性.平成16年3月検診で便潜血を指摘され,直腸癌と診断され4月27日当院紹介された.4月28日生検の結果small cell carcinomaであった.CT,MRIにて直腸周囲のリンパ節転移を疑われたが,他臓器に明らかな病変は認めなかった.6月7日腹会陰式直腸切断術,D3郭清を施行した.病理組織診で直腸原発の小細胞癌と診断され,大腸癌取扱い規約上はpStageIIIb,CurAであった.術後会陰創感染はあったものの経過良好でCDDP 40mg×2日,VP-16 100mg×3日(1クール)の化学療法を6クール施行した.術後3年9カ月現在のところ再発兆候なく経過観察中である.直腸原発の小細胞癌は非常に稀な疾患であり早期より遠隔転移をきたす予後不良な疾患である.今回われわれは治癒切除が可能で長期生存中の1例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する.