日本臨床外科学会雑誌
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症例
von Recklinghausen病に合併した多発空腸GISTの1例
岩崎 純治矢野 隆嗣三田 孝行玉置 久雄石原 明徳
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2008 年 69 巻 8 号 p. 1988-1992

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抄録

von Recklinghausen病(以下,R病と略記)には神経線維腫,神経鞘腫,カルチノイド等の病変が合併することが知られているが,過去10年間にR病合併gastrointestinal stromal tumor(以下,GISTと略記)の報告が増加してきている.最近われわれはR病に合併した多発空腸GISTの1例を経験したので報告する.症例は53歳,女性.20歳代にR病と診断されている.黒色便と嘔吐を主訴とし当院を受診.腹部CTで骨盤内に径7cmの腫瘤が認められ,腹部血管造影で腫瘤は上腸間膜動脈より栄養されていた.小腸GISTの診断で開腹.上部空腸にそれぞれ径7cm,2cmの腫瘤と,大網に径1cmの播種性病変を認めこれらを切除した.病理組織学的にはKIT,CD34いずれも陽性でGISTと診断された.自験例を含む25例の本邦報告例について臨床病理学的検討を行う.

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© 2008 日本臨床外科学会
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