2008 年 69 巻 9 号 p. 2198-2201
症例は66歳,男性.椎間板ヘルニアの既往があり,2004年1月頃から腰痛出現のため近医の整形外科受診.椎間板ヘルニア再発の診断で加療中であった.同年5月17日から入院加療したが症状増悪し,当科紹介となった.CT,MRIで孤立性左腸骨動脈瘤を認め,腰椎破壊を伴っていた.手術はY型人工血管による置換術を行った.細菌検査は陰性で,病理組織検査では炎症性動脈瘤の所見であった.術後腰痛の軽減とCT上腰椎破壊部の修復がみられた.腰椎破壊を伴う,炎症性孤立性腸骨動脈瘤の報告はなく,稀と考えられ報告した.