日本臨床外科学会雑誌
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症例
膿胸術後のMRSA創感染に対し,ピオクタニン®消毒が有効であった1例
小野田 貴信中村 徹豊田 太鳥羽山 滋生
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キーワード: MRSA, 創感染, ピオクタニン
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2008 年 69 巻 9 号 p. 2216-2218

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抄録

症例は78歳,女性.過去3回の右自然気胸の既往歴があり,2度の手術歴がある.2006年12月,右気胸再発にて近医より当科に紹介受診となった.胸腔ドレナージを施行し経過観察中に膿胸を併発したため,入院14日目に手術を施行した.術後MRSA創感染を併発したため,ポビドンヨード消毒を26日間継続したが,感染巣の改善はほとんどみられなかった.消毒液を0.1%ピオクタニン®に変更した所創部は速やかに清浄化し,使用2日目の培養でMRSAは消失した.有害事象は認めなかった.ピオクタニン®消毒は,MRSA創感染に有効と思われた.

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© 2008 日本臨床外科学会
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