日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡補助下切除後の機能的端々吻合部に再発をきたしたS状結腸癌の1例
下村 誠横井 一吉峰 修時谷川 寛自谷口 健太郎佐藤 梨枝
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2009 年 70 巻 12 号 p. 3609-3615

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抄録

近年,大腸癌に対する腹腔鏡下手術は急速に普及し,進行癌にまで適応が拡大されつつある.その吻合法では機能的端々吻合(functional end to end anastomosis;以下FEEA)が汎用されているが,近年,本吻合法による吻合部再発の報告例が散見される.今回,腹腔鏡補助下結腸切除術施行後,FEEAを施行した部位に,再発をきたしたS状結腸癌を経験したので報告する.症例は60歳,女性.S状結腸早期癌に対し,腹腔鏡補助下結腸切除術を施行した.術後1年目にFEEA吻合部に再発をきたし,吻合部を切除.腸管内洗浄ののち,経肛門的にcircular staplerにより再吻合した.術後6年7カ月の現在,無再発生存中である.腸管内の洗浄が困難なFEEAに際しては,術中,腫瘍細胞の腸管内散布を予防することが重要であり,腹腔鏡下大腸手術においても,術中の愛護的な鉗子操作と十分な腸管の受動,腸管マージンの確保が重要と考えられた.

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© 2009 日本臨床外科学会
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