日本臨床外科学会雑誌
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症例
J型回腸嚢肛門吻合術を行った潰瘍性大腸炎の母子手術例
松岡 宏樹池内 浩基平田 晃弘中村 光宏内野 基冨田 尚裕
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2009 年 70 巻 2 号 p. 455-459

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抄録
親子発症の潰瘍性大腸炎(以下UC)に対し,ともに手術を行った1家系を経験した.母は51歳時に下血で発症し,全大腸炎型の潰瘍性大腸炎と診断された.ステロイドおよび5-ASA製剤で経過観察されていたが再燃緩解を繰り返し,ステロイドを増量,顆粒球除去療法(以下G-CAP)を行ったが症状の増悪を認め当科緊急入院となった.手術は緊急で全結腸切除・直腸粘膜切除・J型回腸嚢肛門吻合(以下IPAA)・回腸人工肛門造設術を行った.その後特変なく経過した.娘は18歳時に下血で発症し,全大腸炎型のUCに対しG-CAP・ステロイド療法・免疫調整剤等で経過観察されていた.再燃緩解を繰り返し社会生活にも支障をきたすようになり,難治性の診断で母と同様に全結腸切除・直腸粘膜切除・J型回腸嚢肛門吻合術・回腸人工肛門造設術を行った.術後経過は良好であった.母子ともに人工肛門閉鎖術を行い,経過観察中である.また家系内には母と娘以外には炎症性腸疾患の罹患者はいない.UCの家族内発生頻度は1.8%と報告されているが,母子ともにJ型回腸嚢肛門吻合を行った症例はわれわれが検索しうる限り存在しない.
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© 2009 日本臨床外科学会
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