日本臨床外科学会雑誌
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症例
重症COPDを合併したITP,S状結腸癌に対して術式・麻酔方法の工夫により一期的手術を施行した1例
吉敷 智和小林 隆照屋 正則小林 薫森田 恒治上西 紀夫
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2009 年 70 巻 2 号 p. 464-469

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抄録
今回,われわれは,重症COPDとITPを合併した進行S状結腸癌に対し,入念な術前準備と術式・麻酔方法の工夫により,HALSによる脾摘と開腹S状結腸切除+リンパ節郭清術を一期的に施行し,良好な結果を得たので報告する.症例は72歳,女性.下血を主訴に近医受診,下部消化管内視鏡検査にてS状結腸癌と診断され当院紹介となった.長期喫煙歴によるCOPDが併存し,呼吸機能検査で高度の閉塞性障害を認めた.外来初診時より禁煙・呼吸機能訓練・吸入気管支拡張剤を開始した.ITPも併存し,外科初診時の血小板数は1万/μlと低値であり手術直前にγブロブリン大量療法を行った.手術は,低侵襲手術と長時間気腹回避の観点より,HALSによる脾摘とHALS創を延長した開腹でS状結腸切除術+D2郭清施行した.麻酔は全身麻酔下で,筋弛緩剤使用を回避し,硬膜外麻酔とprobofol持続静注の併用による自発換気とした.術後経過は良好で術後第11日目退院した.
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© 2009 日本臨床外科学会
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