日本臨床外科学会雑誌
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症例
肝内結石を伴った肝炎症性偽腫瘍の1切除例
浦田 順久上西 崇弘小川 雅生山本 隆嗣竹村 茂一久保 正二
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2009 年 70 巻 3 号 p. 829-832

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抄録
症例は76歳,男性.左前胸部痛および発熱を主訴に近医を受診し,腹部CT検査で肝外側区域に腫瘤像を指摘されたため,精査加療目的に転院となった.当院入院時の血液検査ではCRP値の軽度上昇を認めるのみで,腫瘍マーカーも正常範囲内であった.腹部超音波検査において,肝左葉の肝内胆管拡張および肝外側区域に径5cm大の境界不明瞭な低エコーを呈する腫瘤像を認め,その内部には音響陰影を伴う高エコー像がみられた.腹部造影CT検査でも同腫瘤は辺縁不明瞭であり,不均一な造影効果を示した.以上より,肝内結石を伴う膿瘍もしくは腫瘤形成型肝内胆管癌と診断し,肝左葉切除術を施行した.腫瘍割面は白色の充実性腫瘍であり,その中心に結石が認められた.病理組織検査では悪性細胞は認められず,炎症性細胞の浸潤および膠原線維の増生がみられることから,肝内結石症を伴った肝炎症性偽腫瘍と診断された.
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© 2009 日本臨床外科学会
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