日本臨床外科学会雑誌
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症例
妊娠に合併した原発性副甲状腺機能亢進症の3例
横尾 英樹高橋 弘昌細田 充主高橋 将人佐々木 文章藤堂 省
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2009 年 70 巻 6 号 p. 1614-1619

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抄録
妊娠に合併した原発性副甲状腺機能亢進症3例に対し腫瘍摘出術を施行した.妊娠中の高カルシウム血症で発見された1例は,右下副甲状腺の腫大を認め,保存的治療を行ったがコントロール不良であったため妊娠第三期(妊娠29週)に腫瘍摘出術を行った.出産後に新生児テタニーを契機として発見された2例は各々右下,左下副甲状腺の腫大を認め,腫瘍摘出術を行った.病理組織学的には3例とも副甲状腺腺腫であり,全例良好な術後経過であった.妊娠に原発性副甲状腺機能亢進症を合併した症例は流産,死産,未熟児,新生児テタニーなどの障害を高率に引き起こすとされる.妊娠中の高カルシウム血症や新生児テタニーを認めた場合には,本症の存在を念頭に置いて診断を進める必要がある.
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© 2009 日本臨床外科学会
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