Journal of the Japan Petroleum Institute
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バイオマスのガス化による合成天然ガス製造プロセスの性能評価と膜分離技術によるCO2回収の可能性
南雲 亮 岩田 修一森 秀樹
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2013 年 56 巻 6 号 p. 395-400

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抄録

近年,バイオマスのガス化によってCH4を主成分とする合成天然ガス(SNG)を製造し,化石資源の代替燃料に活用するアプローチの実用化が検討されている。バイオマスのガス化は吸熱反応であるため,メタネーションの発熱反応と統合することで,オートサーマル方式でSNGを製造できる可能性がある。そこで本報告は,オートサーマル型SNG製造のプロセス性能を,未反応のH2モル分率やCH4収率という重要な指標に基づいて評価した。特に,SNG製造後のCO2分離には多大な熱エネルギーを要する点を踏まえ,省エネルギーなCO2回収を実現する有力候補としての膜分離法に着目した。その上で,オートサーマル型SNG製造システムに膜分離ユニットを導入することの可否を,プロセス計算によって評価した。その結果,膜分離のユニット性能を表すCO2/CH4分離係数の値が50を上回ると,CH4損失率が2 %未満に抑えられることが判明した。本報告で得られた結果は,CO2膜分離型SNG製造プロセスの実現可能性を検証するための基礎データとして位置づけられる。

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© 2013 公益社団法人石油学会
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