日本臨床外科学会雑誌
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症例
大動脈周囲リンパ節転移再発したS状結腸pSM癌の1例
下村 学池田 聡吉満 政義檜井 孝夫岡島 正純大段 秀樹
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2009 年 70 巻 9 号 p. 2756-2761

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抄録

大動脈周囲リンパ節へ跳躍転移再発したS状結腸pSM癌の1例を経験した.症例は46歳の女性で,大腸内視鏡検査でS状結腸に径10mm大のIs病変を指摘された.SM深部浸潤癌と診断し,S状結腸切除術を施行した.病理組織学的診断は中分化型腺癌,pSM(垂直浸潤距離5.2mm),ly1,v0,pN1(+),fStageIIIaであった.術後6カ月目のCTで大動脈周囲リンパ節の腫大を認めた.FDG/PETで高集積を認めたことからS状結腸癌リンパ節再発を疑い,216,252,253番のリンパ節郭清を行った.病理組織学的に216,253番の転移を確認したが,252番には転移を認めず,跳躍リンパ節再発をきたしたものと考えられた.大腸癌における跳躍リンパ節転移は約10%,pSM癌における大動脈周囲リンパ節転移の頻度は約0.2%と報告されており,極めて稀な症例と考えられる.文献的考察を加えて報告する.

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© 2009 日本臨床外科学会
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