抄録
MRIにて術前診断しえた右大腿ヘルニア内虫垂嵌頓の1例を経験したので報告する.症例は83歳女性で,右鼠径部膨隆を主訴に来院した.右鼠径靱帯尾側に弾性軟の腫瘤を触知した.血液検査ではCRP 0.38mg/dl以外異常所見はなかった.MRIにて大腿ヘルニア内虫垂嵌頓と診断され,緊急手術を施行した.術中所見では右大腿ヘルニア内に虫垂が嵌頓し,その先端部は暗赤色に陥っていた.同一創より虫垂切除術,大腿ヘルニア修復術(McVay法)を施行した.術後経過良好にて10病日に退院した.今回,自験例を含めた本邦報告18例に文献的考察を加えて報告する.