日本臨床外科学会雑誌
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症例
直腸転移をきたした乳癌の1例
遠藤 光史青木 利明土田 明彦青木 達哉
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キーワード: 乳癌, 直腸転移, 直腸狭窄
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2010 年 71 巻 1 号 p. 52-56

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抄録
症例は71歳,女性.平成15年他院で左乳房温存手術施行.平成20年4月局所再発・リンパ節転移治療目的にて当院紹介.5月中旬よりカペシタビン,ドセタキセル併用療法開始.6月下旬に下血で入院,大腸内視鏡検査で直腸粘膜に広範なびらん・潰瘍性病変を認め,生検上悪性所見は認めず,薬剤性の直腸潰瘍を疑い,保存的加療を施行.症状は改善し,FEC100療法に変更.9月上旬便秘・肛門痛で再入院.直腸粘膜の潰瘍は軽快したが,壁硬化と狭窄を認め,生検では悪性所見は認めなかった.狭窄症状は改善せず,10月下旬に人工肛門造設術を施行.手術所見では腹膜播種は認めず,直腸壁は肥厚・硬化し,経肛門的針生検で,乳癌の転移と診断された.本邦乳癌直腸転移報告例は,自験例を含め10例とまれである.今後術後補助療法の発展から,再発形式の多様化も考えられ,乳癌術後の直腸狭窄では,転移も念頭におくべきである.
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© 2010 日本臨床外科学会
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