日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
X線検査で陰影の移動を認めた胸腔内結石の1例
武藤 哲史大石 明雄土屋 貴男鈴木 弘行後藤 満一
著者情報
キーワード: 胸腔内結石, 胸腔鏡
ジャーナル フリー

2010 年 71 巻 11 号 p. 2834-2839

詳細
抄録

症例は75歳,男性.検診で胸部異常陰影を指摘され,当科を受診した.胸部X線検査では移動する境界明瞭な胸部腫瘤陰影を認めた.画像所見より胸腔内異物を疑い,診断的治療を目的に胸腔鏡下手術を施行した.胸腔内には癒着等なく,遊離する白色の結節を確認し採取した,病理検査にて胸腔内結石症と診断された.本邦の胸腔内結石症の報告は20例程度と非常に稀である.胸腔内結石症の診断においては移動する結節陰影が特徴的とされるが,術前診断は必ずしも容易でなく,確定診断のため,胸腔鏡下手術も考慮すべきであると考えられた.

著者関連情報
© 2010 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top