日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
骨盤内Castleman病の1例
白石 謙介安留 道也鈴木 修
著者情報
キーワード: 骨盤内腫瘍, Castleman病
ジャーナル フリー

2010 年 71 巻 12 号 p. 3237-3241

詳細
抄録

症例は52歳,男性.食欲不振のため平成21年7月に当院内科を受診.上部・下部消化管内視鏡検査では異常を認めず,腹部造影CT検査で左骨盤壁に51×48mmの境界明瞭な軟部腫瘤を認め,内部に石灰化を伴っていた.腹部MRI検査では腫瘍の辺縁が一部不整であった.術前には確定診断はつかず骨盤内腫瘍の診断で外科へ紹介,手術を施行した.腫瘍は骨盤内後腹膜,左外腸骨動静脈の背側に存在しており,左外腸骨静脈との癒着を認めたが,剥離可能であり腫瘍摘出術を施行した.病理組織学的にCastleman病,plasma cell typeと診断した.Castleman病はリンパ節の巨大な腫瘤性病変を特徴とする原因不明の疾患である.本邦における骨盤内発生例は自験例もあわせると11例と非常に稀である.今回われわれは骨盤内に発生したCastleman病の1例を経験したので文献的考察も含めて報告する.

著者関連情報
© 2010 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top