抄録
特発性食道破裂は,早期診断が困難で,治療の開始が遅れると致死的となる非常に予後の悪い疾患である.破裂部位が小さく全身状態が保たれている場合は保存的治療の適応となることもあるが,標準治療は手術である.われわれは今回特発性食道破裂の2例を経験し有茎大網弁を作成し胸腔鏡下大網充填術を行った.術後経過は良好で軽快退院となった.開胸手術は侵襲も大きいが胸腔鏡を用いることにより低侵襲手術が可能である.今回は大網充填を行ったが胸腔鏡による縫合閉鎖は容易であり,手術における選択肢の一つとして有効である可能性が示唆された.