抄録
症例は60歳,男性.毎年人間ドックを受診し,異常なしといわれていた.2007年1月頃より湿性咳嗽が出現,4月の人間ドックで肺の異常陰影を指摘された.前医での気管支擦過細胞診の結果はClassIIであったが,精査加療のため当院に紹介受診となった.当院で再度気管支擦過細胞診を実施した結果,ClassIVの診断を得た.右肺癌疑いの診断で胸腔鏡補助下前方腋下開胸にて右下葉切除術を行った.術後,組織学的検査および免疫組織学的検査により肺原発MALTリンパ腫と診断された.本疾患の術前診断は困難であり,また,標準的治療法はいまだ確立されていない.初期治療として手術を実施することは,確定診断と術後の治療方針の決定に有用であると考えられた.