日本臨床外科学会雑誌
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症例
血気胸で発症後の持続する気漏に対して待機的手術を施行したMarfan症候群の1例
境 雄大木村 大輔畑中 亮山田 芳嗣対馬 敬夫福田 幾夫
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2010 年 71 巻 2 号 p. 369-373

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抄録
症例は18歳,女性.2歳時にMarfan症候群,大動脈弁輪拡張症,大動脈弁閉鎖不全症,僧帽弁逸脱と診断され,定期的評価を受けていた.左背部痛を主訴に近医を受診し,胸部X線検査で左気胸と胸水貯留を指摘された.胸腔ドレナージが施行され,800mlの血性排液が流出した.胸腔内からの出血は改善したが,気漏が持続するため,発症から12日後に当科を紹介された.CTでは左肺尖部にブラを認めた.ドレナージを継続し,超音波検査による心血管系の評価後に待機的に胸腔鏡下手術を行った.肺尖部に新生血管の増生を伴う線維性癒着があり,その周囲にブラを認めた.胸腔鏡下ブラ術を施行した.術後の経過は良好で,術後第5病日に退院した.Marfan症候群患者の外科治療に際しては周術期の心血管系合併症の予防が重要である.血気胸・気胸手術においても術前に超音波検査による心血管系の精査を行うべきである.周術期には血圧の上昇・変動に注意する必要がある.
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© 2010 日本臨床外科学会
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