日本臨床外科学会雑誌
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症例
胸壁に発生した脱分化型脂肪肉腫の1例
境 雄大木村 大輔対馬 敬夫福田 幾夫畑中 亮山田 芳嗣鎌田 義正
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キーワード: 脂肪肉腫, 脱分化型, 胸壁
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2010 年 71 巻 5 号 p. 1154-1158

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抄録
患者は78歳,男性.3~4年前から左前胸部腫瘤を自覚していたが,緩徐な増大と圧痛を認めたため,精査目的に当科を受診した.左前胸壁に約5cmの腫瘤を認め,可動性は不良であった.超音波検査では周囲との境界不明瞭な低エコー域の腫瘤であった.CTでは大胸筋表面に造影効果を示す扁平な腫瘤を認めた.PET-CTでは前胸壁腫瘤にSUVmax 2.4の集積を認めたが,その他の異常集積はなかった.穿刺吸引細胞診では確定診断が得られなかった.全身麻酔下に手術を行った.腫瘍は大胸筋内に存在し,腫瘍の切除断端を維持し,大胸筋の全層切除を行った.病理組織診断は脱分化型脂肪肉腫で,切除断端は陰性であった.術後に放射線治療を行った.術後5カ月を経過したが,無再発生存中である.胸壁発生の脂肪肉腫はまれである.脱分化型脂肪肉腫は予後不良とされる.自験例では完全切除後に放射線治療を行い,再発を認めていないが,今後も慎重な経過観察が必要である.
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© 2010 日本臨床外科学会
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