日本臨床外科学会雑誌
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症例
術前診断に苦慮した単発性肝類上皮血管内皮腫の1例
入江 朋子西田 修藤田 葉子
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2010 年 71 巻 5 号 p. 1252-1257

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抄録
症例は58歳,女性.2006年11月,検診腹部USで肝S5に5mm大の低エコー領域を指摘され血管腫を疑い,経過観察とされていた.2007年7月のUSで20×40mmと増大した.造影USでは早期相で腫瘤辺縁に造影効果がある約2cmの腫瘤が描出され,後期相で染影は持続した.腹部造影CTでは早期相では類円形領域辺縁に濃染を認め,後期相では造影はやや薄まった.FDG-PET検査ではS5腫瘤に一致して集積が認められ,SUV(standardized uptake value)値は4.8であった.術後経皮的穿刺針生検を行ったが,染色状態不良でfactorVIII陽性細胞とまでは言い難く,肝類上皮血管内皮腫(以下EHE)の確定診断には至らなかった.
EHEだけでなく転移性肝癌や胆管細胞癌の可能性も考え,同年11月に肝S5亜区域切除術を施行した.病理組織学的にはFacterVIII・vimentinなど免疫染色が陽性でありEHEと診断した.
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© 2010 日本臨床外科学会
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