日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
腹腔鏡下大網充填術により症状が軽快した上腸間膜動脈症候群の1例
松田 佳子森末 正博飯島 崇史
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 71 巻 5 号 p. 1328-1332

詳細
抄録

急激なダイエット後に腸閉塞症状が出現した上腸間膜動脈症候群の1例を経験したので報告する.始めに腹部CT検査にて胃の著明な拡張と十二指腸水平脚での狭窄を認めた.入院後胃の減圧,絶食などを施行の上,精査を行い,上腸間膜動脈症候群と診断し,3日間の保存的加療後に腹腔鏡下手術を行った.術中所見は上腸間膜動脈が十二指腸水平脚を圧迫していたため,上腸間膜動脈と腹部大動脈間に大網を充填し十二指腸水平脚への圧迫を解除した.術後3日目より,経口摂取開始し経過は良好である.よって上腸間膜動脈症候群に対して腹腔鏡下大網充填術は有効な治療手段の1つであると考えられた.

著者関連情報
© 2010 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top