抄録
症例は80歳,女性.高血圧にて内服加療を受けていた.左乳癌の術前腹部超音波検査にて右腎下極腹側に直径約2cmの腹腔内腫瘤を指摘され,腹部造影CTでは嚢胞変性を来たした多血性腫瘤を認めた.血中カテコラミン値は正常範囲内であった.術前確定診断には至らなかったが,腹腔鏡下に手術を施行,腫瘍は横行結腸間膜に存在し,腫瘍を腹腔鏡下に遺残なく摘出しえた.病理組織学的検査にてparagangliomaと診断された.横行結腸間膜に発生したparagangliomaは極めて稀であり,また本邦では腹腔鏡下に摘出した症例報告はなく,文献的考察を加え報告する.