抄録
ビリルビンのジアゾカップリング反応で生成する反応中間体の再結合によるビリルビンの生成について検討した。クロロホルムで抽出された420nm付近に吸収ピークをもつ反応中間体は4℃で1-2週間の保存中に450nm付近に吸収ピークを有する物質に変化した。保存前の反応中間体は酸化により無色物質になったが, 保存により生成した物質は酸化によりビリルビンの酸化で生成するビリベルジンと吸収スペクトルが同じである緑色物質を生成した。また, この物質はジアゾニウム塩と反応し, 紫色の発色体を生成したが, 反応初期の吸収スペクトルには反応中間体の生成を示すと考えられる吸収ピークが420nm付近に観測された。保存により生成した物質を薄層クロマトグラフィで展開したところ, 3種の黄色物質が分離された。これらの物質のRf値は対照として展開したビリルビンIIIα, IXαおよびXIIIαのRf値と一致した。分離した3種の物質は酸化によりビリベルジン, ジアゾニウム塩との反応で紫色のアゾ色素を生成した。これらの結果から, ビリルビンのジアゾカップリング反応で生成する反応中間体は保存中に2分子が再結合し, ビリルビンIIIα, IXαおよびXIIIαを生成したものと考えられた。