日本臨床外科学会雑誌
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症例
S状結腸間膜内ヘルニアの1例
高柳 大輔間崎 武郎間遠 一成大亀 浩久石井 敬基増田 英樹
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2010 年 71 巻 6 号 p. 1619-1623

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抄録

症例は62歳,女性.2008年7月突然の腹痛,嘔気,嘔吐を認め,当院救急外来受診.腹部単純X線像と腹部CTで小腸ガス像と鏡面形成を認め,イレウスの診断にて入院した.第2病日にイレウス管を挿入するもX線像上改善なし.イレウス管造影を施行し,小腸に全周性の狭窄を認めたため,第13病日に手術を施行した.小腸がTreitz靱帯より100cmのところでS状結腸間膜の右葉欠損部に嵌入し,S状結腸間膜内ヘルニアとなっていた.小腸に血流障害は認めず,用手的に整復し,ヘルニアは解除した.右葉欠損部は単純縫合閉鎖した.術後順調で,第18病日退院した.

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© 2010 日本臨床外科学会
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