抄録
症例は14歳,女性.2008年1月頃より持続する左季肋部痛を自覚し,脾臓に腫瘍性病変を指摘された.症状は増悪し,腫瘍径の増大も認められたため当院へ紹介された.腹部超音波検査で脾臓の上極寄りに境界不明瞭で内部不均一な腫瘍を認めた.腹部CTでは脾臓から突出する径約5cmの境界明瞭な腫瘍を認め,単純で低吸収,動脈相から平衡相まで続く造影効果を示した.血管構築像でも血管に富んだ球状の腫瘍が描出された.MRIではT1強調で同~低信号,T2強調では高信号を示した.以上より,脾血管腫疑い,切迫破裂と診断し,準緊急で腹腔鏡下脾摘出術を施行した.標本は被膜下に突出する充実した腫瘍を認め,病理診断で,髄索毛細血管腫に亜分類される赤脾髄型脾過誤腫と診断された.切迫破裂をきたしたと考えられる症例は本邦報告14例と稀であったが,腹腔鏡下脾摘術は安全に施行でき,よい適応と考えられた.