抄録
症例は46歳,男性.健診にて便潜血反応陽性を指摘され,当院内科受診.大腸内視鏡検査にて直腸Rbに直径12mmの中心陥凹を伴う表面平滑な隆起性病変を認め,生検にてカルチノイドと診断された.骨盤部CTにて右内腸骨動脈沿いに直径21mmと18mmの2個のリンパ節腫大を認め,転移を疑われた.平成18年2月に超低位前方切除術とD3郭清を行い,病理組織学的検査で深達度SMの直腸カルチノイド及び内腸骨リンパ節への転移陽性と判明した.術後4年経過した現在,無再発生存中である.直腸カルチノイドは腫瘍径が比較的小さなものであっても術前のリンパ節転移検索は必要であり,転移が疑わしい場合は大腸癌に準じた根治的切除が必要であると考えられた.