抄録
症例は68歳,男性.発熱と突然の腹痛を主訴に当院受診.腹腔内腫瘍の疑いで紹介となった.血液検査所見で貧血と炎症反応がみられ,腹部CT検査で下腹部に大きさ8×7×5cm大の類円形の腫瘤と,腹腔内に中等量のfluidが認められた.内視鏡検査では異常所見を認めなかったため,腹腔内腫瘍破裂の診断で手術を施行した.手術所見は,腹腔内に約300mlの血性腹水と凝血塊がみられ,回腸末端から約180cmの小腸の腸間膜対側に憩室様に突出する腫瘍が認められた.腫瘍には凝血塊が付着し,同部位からの出血と判断し,腫瘍を含めて小腸部分切除術を施行した.免疫染色でc-kit陽性でありGIST破裂による腹腔内出血と診断した.術後よりメシル酸イマチニブ400mg/日を内服開始し,術後3年間無再発生存中である.