2011 年 72 巻 3 号 p. 601-603
症例は42歳,女性.右腋窩腫瘤を自覚し,近医を受診した.右腋窩に3.8cm大,右乳房DC領に1.2×1.2cmの腫瘤を認めた.穿刺吸引細胞診にて,悪性の疑いと診断され,当科紹介受診となった.乳癌および腋窩リンパ節転移も否定できないため手術施行した.右腋窩腫瘤および右乳腺腫瘤を摘出し,それぞれ術中迅速病理に提出,その結果悪性所見は認めなかった.本症例のように腋窩腫瘤と同側の乳腺に腫瘤認める場合には,特に慎重に診療にあたり過剰診断・過剰手術にならないように注意するべきであると思われた.