日本臨床外科学会雑誌
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症例
局所進行乳癌との鑑別を要し,無治療で完全自然消退したリンパ腫様丘疹症の1例
佐藤 耕一郎加藤 博孝伊藤 靖阿部 隆之山口 正明一迫 玲甘利 正和石田 孝宣
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2011 年 72 巻 3 号 p. 594-600

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抄録
左乳房に発生し,5カ月後には完全に自然消退したリンパ腫様丘疹症の1例を経験したので報告する.
症例は,某病院で左乳腺炎の診断で切開を受けたが排膿なく,炎症性乳癌の疑いにて当科紹介された.現症では左乳房ACE領域に径約3cmの腫瘤が存在し,皮膚への浸潤が認められた.超音波検査では22.2×21.2×11.0mmの内部低エコーを示す腫瘤が存在し,局所進行乳癌が疑われたが,針生検を施行し,リンパ腫様丘疹症と診断された.
この疾患の5年生存率は90%以上で,大部分が自然消退するため,通常化学療法の適応はない.ただ一部の症例は全身型未分化大細胞性リンパ腫の皮膚病変の可能性があり,その際は化学療法の適応となるため,Gaシンチ,CTを施行したが,全身のリンパ節腫脹を認めず,皮膚限局型と判断した.乳房の腫瘤は生検後,無治療で自然消退傾向を認め,5カ月後に肉眼,CT,US,MMG上,完全に消退した.
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© 2011 日本臨床外科学会
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