日本臨床外科学会雑誌
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症例
食道癌に対する胸骨後胃管再建術後の大動脈弁置換術の1例
原 真範藤井 毅郎塩野 則次益原 大志小山 信彌渡邉 善則
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2011 年 72 巻 3 号 p. 627-629

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抄録
食道癌に対する胸骨後胃管再建術の既往をもつ患者への心臓手術の報告は比較的まれである.胸骨の後方に再建された胃管があるため通常の胸骨正中切開は困難と考えられ,アプローチに苦慮する.今回われわれは上部小開腹を併用した正中アプローチで,大動脈弁閉鎖不全症に対する大動脈弁置換術(Aortic Valve Replacement,以下AVRと略記)を施行したので報告する.症例は56歳男性,51歳時に食道癌のため胃管による胸骨後再建術を施行している.感染性心内膜炎(起炎菌/Enterococcus faecalis)による大動脈弁閉鎖不全症と診断し手術を施行した.先に上部小開腹で胃管を同定,剣状突起下から胸骨裏面を慎重に剥離し胸骨正中切開した.切開した左半分の胸骨とともに胃管を左側に展開し良好な視野でAVR(SJM 23mm)が可能であった.術後,肺炎や肝障害が出現したが第38病日に独歩退院した.
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