日本臨床外科学会雑誌
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症例
汎血球減少を合併した脾過誤腫の1例
渡邊 将広長谷川 洋坂本 英至小松 俊一郎久留宮 康浩法水 信治
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2011 年 72 巻 4 号 p. 1028-1032

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抄録

汎血球減少を合併した脾過誤腫の1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.症例は52歳,男性.2008年2月,人間ドックで血小板減少と脾腫を指摘され,2009年8月当院を受診した.血小板数の減少と白血球数・ヘモグロビン値の軽度低下を認め,Computed Tomography(CT)・Magnetic Resonance Image(MRI)では脾内に内部変性・壊死を伴う140×120mmの腫瘍を認めた.血小板減少を呈しており,腫瘍が比較的大きく悪性の可能性を否定できないことから,2009年11月に開腹脾臓摘出術を施行した.摘出標本は200×160×110mm,重量1,466gで,大部分が腫瘍で占められていた.病理診断は赤脾髄型脾過誤腫であった.手術後汎血球減少は改善が見られた.本例は報告例の中では最大級の脾過誤腫であった.

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