日本臨床外科学会雑誌
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症例
デュアルメッシュ®を用いた傍ストーマヘルニア修復術の2例
坪井 賢治川瀬 義久大河内 治服部 正嗣高見 悠子武田 重臣
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2011 年 72 巻 4 号 p. 1055-1059

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抄録

傍ストーマヘルニアは人工肛門造設後に見られる合併症の一つである.しかし,その治療法はいまだ確立していない.今回,われわれはデュアルメッシュ®を用いた傍ストーマヘルニア修復術の2例を経験したので報告する.
症例1:67歳,女性.直腸癌にて腹会陰式直腸切断術,腹膜外経路S状結腸人工肛門造設術を施行した.傍ストーマヘルニアを合併したため手術を施行した.挙上結腸が腹壁を貫通する頭側にヘルニア門を認めた.ヘルニア門を縫縮し挙上結腸全体を覆うようにデュアルメッシュ®を腹膜に縫合した.
症例2:67歳,女性.直腸膣瘻に対しハルトマン手術・腹腔内経路S状結腸人工肛門造設術を施行した.傍ストーマヘルニアを合併したため手術を施行した.挙上結腸の頭側にヘルニア門を認めた.症例1と同様の方法で修復した.
デュアルメッシュ®を用いたヘルニア修復術は簡便であり現在再発無く有用と思われる.

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