抄録
症例は62歳,男性.多発肺転移・大動脈周囲リンパ節転移を伴う上行結腸癌に対して原発巣切除後,化学療法を開始した.1次治療はFOLFOX4,2次治療はbevacizumab/FOLFIRIとした.病状の悪化を認めたためcetuximab/CPT-11にレジメンを変更し3次治療を行っていたが,bevacizumab投与中止後133日目に多発性結腸穿孔をきたし,残存結腸亜全摘術を施行した.切除標本における病理組織学的検索で細動脈系・細静脈系・毛細血管系と広範囲に血管炎,血栓症が認められ,bevacizumab投与に関連する消化管穿孔である可能性が強く示唆された.われわれの調べたかぎりbevacizumab投与中止後長期間経過して多発性結腸穿孔をきたした報告はなく,その成因について考察を加え報告する.