抄録
当科で過去10年間に経験した消化管Behçet病の手術症例を検討した.対象は7例,初回手術時の平均年齢は55歳,全例が女性であった.手術契機は穿孔2例,狭窄2例,出血2例,内科治療不応2例,癌の合併が1例.主病変部は回腸,盲腸,上行結腸,胃であった.全例で切除標本で,病理組織学的に非特異性潰瘍を呈した.回腸,結腸手術例は全例で腸瘻を造設,縫合不全,再穿孔が原因で多期手術を要した例もあった.7例中6例で,腸瘻閉鎖部も含めて,外科的吻合部またはその近傍に病変の再燃または縫合不全など合併症をきたしている.
消化管Behçet病は外科的にも術後の縫合不全など合併症や病変の再発をきたしやすく,治療に難渋する病態である.吻合部合併症を含めた病勢のコントロールのため,術後も早期に内科治療を導入することが重要であると考える.