日本臨床外科学会雑誌
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症例
急性虫垂炎で切除された虫垂より日本住血吸虫卵が発見された1例
江間 玲今井 俊中川 基人隈元 雄介永瀬 剛司金井 歳雄
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2011 年 72 巻 7 号 p. 1773-1777

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抄録
症例は50歳,フィリピン人女性.30歳時に来日し,日本人男性と結婚後,日本に在住していた.心窩部痛,下腹部痛を主訴に当院を受診した.来院時は,38.3℃の発熱とMcBurney点の圧痛を認め,CT検査では,造影効果を伴う虫垂壁肥厚,糞石と思われる石灰化を認めた.急性虫垂炎と診断し,同日虫垂切除術を施行した.術後病理学的検索で虫垂壁のほぼ全層に日本住血吸虫卵が多数検出された.術後経過良好で第5病日に退院となった.日本住血吸虫症は本邦では山梨県甲府盆地などが流行地として知られているが,中間宿主である宮入貝の撲滅に伴い,近年新たな感染者は報告されていない.従って,病理組織検体に日本住地吸虫卵が認められた場合は流行地出身者などの陳旧性症例がほとんどである.しかし,日本住血吸虫症の国外感染による輸入症例は毎年報告されており,活動性感染の可能性も念頭に置き,診療にあたるべきと考えられた.
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© 2011 日本臨床外科学会
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