日本臨床外科学会雑誌
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症例
短期間に大腸穿孔性腹膜炎を2回起こした血管型Ehlers-Danlos症候群の1例
緒方 健一工藤 啓介土居 浩一大地 哲史牧野 公治籏持 淳
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2011 年 72 巻 7 号 p. 1882-1886

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抄録
症例は21歳,女性.2008年2月消化管穿孔の診断で緊急手術施行した.術中所見では糞便充塞による直腸穿孔,汎発性腹膜炎であった.穿孔部で直腸を離断し,S状結腸の単孔式人工肛門を造設した.術後26日目で退院となったが,退院後39日目に人工肛門直下のS状結腸が穿孔を起こし,緊急手術を施行した.術中所見では,硬便充塞で,人工肛門直下で穿孔を起こしていた.短期間のうちに2回自然の大腸穿孔を起こしたこと,さらに術中所見や既往歴から血管や組織,関節の脆弱性を疑わせるものが多かったことにより,基礎疾患の存在を疑い,遺伝子検索を行ったところ血管型Ehlers-Danlos症候群と診断された.本疾患は,血管や消化管の結合織が脆弱となり,動脈破裂,消化管出血・穿孔を起こすと考えられている.本症例のように,若年者で自然に大腸穿孔を起こす症例では,本疾患を疑う必要があり,厳重なフォローが必要であると考えられた.
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