抄録
症例は58歳,男性.気管支喘息に多発単神経炎を合併し,Churg-Strauss症候群(以下CSS)と診断され,外来加療中であった.多発性単神経炎の急性増悪をきたし,入院ステロイドパルス療法開始したところ,多発胃潰瘍を合併し,急激な腹痛と腹部レントゲン写真にて遊離ガス像を認めたため,消化性潰瘍穿孔を疑い,緊急手術を施行した.腹腔鏡にて観察したところ,胃・十二指腸は正常で,回盲部より80cm近位の小腸に穿孔部を認めた.小開腹を行い,同部位の部分切除を施行した.切除標本では,好酸球浸潤・類上皮細胞浸潤を伴う血管炎の像を呈しており,アレルギー性肉芽腫性血管炎(AGA)による小腸穿孔と診断した.術後は順調に経過し,ステロイド維持療法を継続した.AGAは比較的稀な疾患であるが,本邦での消化管穿孔例の報告は54例である.