日本臨床外科学会雑誌
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症例
亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した膵内胆管損傷合併IIIb型膵頭部損傷の1例
飯澤 祐介根本 明喜勝峰 康夫
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キーワード: 膵外傷, 鈍的腹部外傷
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2011 年 72 巻 9 号 p. 2375-2378

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抄録
症例は22歳,女性.交通事故で当院に搬送された.来院時,腹部全体に圧痛を認めたが,腹膜刺激症状は認めなかった.腹部CTで膵頭部損傷,肝損傷,腹腔内出血を認め,保存的治療を開始した.入院翌日に施行した腹部CTで,右腎周囲の後腹膜腔の液貯留と,腹水の増加を認めたので,受傷38時間後に緊急手術を施行した.術中所見では,後腹膜腔に胆汁の貯留と,膵管損傷,膵内胆管損傷を伴った膵頭部損傷を認めた.また肝外側区域に深さ4cmの実質損傷と,十二指腸下行部に挫傷を認めた.患者の全身状態は安定していたため,亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した.膵液漏は認めず,術後46日目に退院となった.
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© 2011 日本臨床外科学会
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