抄録
目的:当院での膵癌切除例の治療成績と予後因子を解析し,特に腫瘍占拠部位の予後因子としての意義について検討した.
方法:2000年1月から2010年12月までの176例の膵癌切除例を対象とした.
結果:176例の生存期間中央値は26カ月,累積5年生存率は31%であった.腫瘍占拠部位による単変量解析の結果,膵体尾部癌と膵頭部癌の生存期間中央値,累積5年生存率はそれぞれ33カ月と22カ月,43%と24%であり,有意に膵体尾部癌の予後が良好であった.多変量解析の結果,病期,組織学的癌遺残度,術後化学療法は有意な因子であったが,腫瘍占拠部位は有意ではなかった.膵体尾部癌で有意に進行度が低い症例が多かった.
結論:膵癌切除例の治療成績は向上しており,病期,組織学的癌遺残度,術後化学療法が重要な予後因子であった.膵体尾部癌に早期発見例が多く,膵頭部癌に比し予後が有意に良好であった.